ヴェニスの商人はずいぶん昔―僕がまだ金融のことなんてまるで興味がなかった頃―に原作(の日本語訳)で読んだのだが、当時はユダヤ人の高利貸しが、借金返済の期限を破ったペナルティとして債務者の肉1ポンドを要求する場面がとても印象的だったことを覚えている。 しかしこれといって感銘を受ける文学作品ではなかった。 そしていつのまにかそんな本を読んだことすら忘れていた。 しかしつい最近、まんがで読破シリーズを大人買いしたときに、ヴェニスの商人もいっしょに買ったのだが、これがなかなか面白かった。 そしてまた原作も読み返してしまった。 おそらくは文学的に「正しい読み方」で僕は読まなかったのだけれど、悪役であるはずの強欲なユダヤ人の高利貸しシャイロックの台詞が、非常に正論でものすごく説得力があった。 シャイロックは、ユダヤ人ということで差別され屈辱的な扱いをキリスト教徒から受けていた。 しかしひょんなことから
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