活動のそもそものきっかけは、1978年、医師として同行したネパールへの山岳会の遠征隊。虫好きだった中村さんが蝶に惹かれて参加したのだった。ところが、医師がいると知った現地の人が中村さんを頼りにした。蝶が誘った縁だった。中村さんは1983年にペシャワール会を設立。パキスタンやアフガニスタンで無償で医療援助を始めた。ところが、2000年に活動の転換を迫られる。この地域を襲った大かんばつを目の当たりにし、「まずは食べられるようにすること」の必要性を感じた。中村さんは医師として治療に関わるかたわら、命をつなぐ「水」を確保しようと取り組み始めた。