今年読んだ本の中で、今のところベストなんじゃないかというくらい面白かった。 今や書籍の一大ジャンルになっている自己啓発本。 その自己啓発本の歴史を紐解き、分類していきながら、 どのような主張がなされてきたか、それがどのように受容されてきたかを フランスの社会学者ピエール・ブルデューのフレームワークを用いて整理していく。 何を行うことで自分にとって、あるいは他者に対して、自らの存在(アイデンティティ)が証明できることになるのか、その存在証明の区分線を浮き彫りにすることにある。 どのような振る舞いが、どのように卓越的な、あるいは劣るものとしての位置づけを施され、また優劣の両極にはどのような人々が配置されるのか。 今日における通俗的な差異化・卓越化(ディスタンクシオン)の一形式を、自己啓発書を素材にして明らかにすること――それが本書の目的である。 P.5 日常に侵入する自己啓発: 生き方・手帳術