アニメ市場は活況も、制作企業の収益性低下 ~ 1社当たり平均収入高は10年間で4割減、アニメ制作企業の収益力強化が課題 ~ はじめに 2016年のアニメ業界は記録的なニュースが続いた1年だった。2016年8月に公開された新海誠監督の長編アニメ映画『君の名は。』は累計興行収入240億円を突破し、邦画史上歴史的な大ヒットとなったほか、『聲の形』『ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール- 』など、多くのアニメ映画がヒット。テレビアニメにおいても、『おそ松さん』や『ユーリ!!! on ICE』などのアニメ作品が、女性ファンを中心に熱狂的な人気ぶりを見せた。 一般社団法人日本動画協会「アニメ産業レポート2016」によれば、2015年に放映されたアニメ作品は過去最高となる341本(新作233本)を記録。アニメ産業市場も過去最高の1兆8255億円となり、2016年は2兆円を上回る水準に達する