ウクライナに侵攻したロシア軍が東部や南部の「占領地」で、住民を拉致しシベリアや極東サハリン島に強制移送しているとして、ウクライナが非難している。東部2州では、侵攻前から「難民保護」の名目で移送が行われており、侵攻後を含めると累計で数万人規模に達する可能性が出ている。スターリン時代のソ連を連想させる重大な人権侵害として国際的な批判がさらに高まりそうだ。 ロシア軍が市街地を包囲した南東部のドネツク州マリウポリでは25日、市当局が「ロシア軍が住民1万5000人を強制移住の対象にした」と発表。27日にも「市立病院の職員らがロシア軍に連れ去られた」と説明、違法な拉致行為が続いていると強調した。