はじめに 『響け!ユーフォニアム』アニメ第3期では、北宇治高校吹奏楽部の部長となった黄前久美子が、塚本秀一や高坂麗奈などの仲間と共に全国大会金賞を目指して突き進んでいく。久美子たちが3年生になって大きく変わった部の制度と言えば、なんといっても、オーディションである。前年まで、オーディションは年1回だけだったのに対して、今年は府大会、関西大会、そして全国大会の前にそれぞれオーディションを実施し、その時点で最適な奏者を選出するという仕組み。 このオーディションが実に厄介なのである。作中の登場人物たちはオーディション結果を巡って互いに対立したり、喜怒哀楽様々な感情を爆発させたりする。もちろん、我々視聴者も、その結果に一喜一憂し、様々な考えを巡らせる。何故このような事態になってしまうのか。それは、『響け!ユーフォニアム』で描かれるオーディションが徹底的に「理不尽」だからである。 私が考えるに、北宇