前回から続く すでにばればれですが、これまで述べてきたある組織Vの話というのは実は、ZF集合論と呼ばれる公理的集合論の話です。規則と述べたのはZF集合論の公理に他なりません。ただその順序はRef-1に従っていて、他の文献では異なることもあります。素朴に考えるとモノすなわち何らかの対象(数学上の話ですから数学的対象と考えてよいですが)が集まればそれが自動的に集合となると考えたくなりますが、そこをぐっとこらえて明示的に集合とはこんなものだと定義するのが公理的な考え方です。つまり、集合という無定義語とその間に成り立つ∈(属する)という関係について公理系を組立て、それを基に理論を展開するのです。ここではモノの集まりとその要素という元の意味は剥奪されています。ですから、集合を員、∈を直属の上司部下関係と言い換えても数学的構造は全く同じになります。そして、モノの集まりとその要素というイメージに振り回さ
