研究者・技術者が主役に こう言ってしまえば簡単そうだが、実はそうでもない。そもそも、ターゲットとする「市場」が明確に捉えられていなければ未決の課題も的確にはとらえられないからである。それができなければ、テーマなど設定できるはずもない。 市場の状況を理解して開発部隊に提案するのはマーケティング担当部署の仕事だろうと考える方が多いかもしれない。その通りである。少なくともこれまでのような連続性の高い開発(持続的イノベーション)が通用している経営環境においてはそれでよかった。 しかしながら、新市場創造型の開発でなければ望ましい収益性を実現できない現在の経営環境においては、この考え方では十分ではない。将来の商品に向けた「未決の課題」 は従来型の御用聞きスタイルでは引き出すことはできず、レベルの高いテクニカル・タームを使った意見交換の中に潜んでいるものである。 特に、B2Bの事業ではこの傾向が非常に強