M-1グランプリの審査がやらせに見えてしまう人は多いらしい。それは、審査員が横目で他の審査員を見ている映像が何度も映し出されたり、点数が示し合わせたように同じだったり、島田紳助の「審査は好き嫌いにならざるを得ない」という発言を初めてとして、全ての発言が弁解がましかったり、思わせ振りだったり。 しかしそれは仕方のないことなのだ。彼らは空気を読んでいるのである。あそこの審査員席に座っているのは、今、日本で一番空気を読むことに長けている7人だと言っても過言ではない。その7人が、全身全霊をかけて空気を読み合っているのだ。会場の空気を読み、芸人の空気を読み、さらにはテレビの前の視聴者の空気を読んでいる。 なぜ空気を読んでいるかと言えば、それだけ責任が大きいからだ。M-1グランプリという番組は、視聴者全員をにわか審査員にしてしまう性質を持つ。視聴者は、ほとんど全員が、芸人たちを審査する目でこの番組を見