弘法大師像(秘鍵大師像)=虎屋蔵 【筒井次郎】剣を持った弘法大師・空海を描いた「秘鍵(ひけん)大師像」としては最古の、鎌倉時代後期〜南北朝時代(14世紀前半)のものとみられる絵が見つかり、京都国立博物館(京博、京都市)が19日発表した。また、同館と出光美術館(東京)が所蔵する南北朝時代の掛け軸が、もとは同じ屏風(びょうぶ)の一部だったことも判明した。 ともに京博で来年1月8日〜2月11日に開かれる特別展観「国宝十二天像と密教法会(ほうえ)の世界」(朝日新聞社共催)で公開される。 新発見の秘鍵大師像は縦48センチ、横32センチの絹地に描かれている。818(弘仁9)年に疫病が流行した際、空海(774〜835)が嵯峨天皇の前で「般若心経」の解説をしたところ、疫病がすぐに鎮まったという逸話を描いたもの。現存する秘鍵大師像はほとんどが江戸時代のもので、高野山龍光院(和歌山県)が所蔵する南北朝合