「七人の侍」「ひめゆりの塔」などの映画で知られる女優の津島恵子(つしま・けいこ、本名・森直子=もり・なおこ)さんが1日、胃がんのため死去した。86歳。長崎県出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。喪主は夫、森伊千雄(もり・いちお)氏。 東洋音楽学校(現・東京音楽大学)を中退し、松竹大船撮影所のダンス教師をしていたところを吉村公三郎監督にスカウトされ、芸能界入り。昭和22年の「安城家の舞踏会」でデビューした。 小津安二郎監督の「お茶漬の味」、今井正監督の「ひめゆりの塔」、黒澤明監督の「七人の侍」などに出演し、清楚(せいそ)な娘や女教師、男装の村娘などで、女優として幅広い魅力を見せた。一時、映画界から遠ざかったが間もなく復帰。テレビドラマでは上品な母親役などが多く、「俺たちの旅」「花神」などに出演した。 昭和32年、東宝副社長を務めた森岩雄氏の長男で当時TBSに勤務していた森伊千雄氏と結婚