お気に入りの本や雑誌をスキャナーで読み取り、個人で電子書籍を作成することが人気を集めているが、それを代行するサービスの是非が議論されている。本人に代わって営利目的でコピーすることは、著作権法で許される「私的複製」を逸脱しており、「違法」とみる専門家が少なくないのだ。村上春樹さんら人気作家の中国語版などが無断で電子化された例が相次いでいることもあり、作家や出版社は業者に警告を発している。(海老沢類) 個人で紙の本を電子書籍化することは、“自炊”とよばれる。調査会社のマクロミルが6月、米アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」の購入者300人に行った調査では、“自炊”経験者は約2割に上った。 ただ、1ページずつスキャナーで読み込む作業は手間がかかることもあり、今春ごろから代行業者が急増し、今では数十社に上るとみられる。1冊350ページを100円以下で請け負う業者が出るなど価格競争も