日本維新の会が高齢者の医療費窓口負担を原則3割に引き上げる提言案をまとめた。これについて現場の現役医師の視点から考えてみたい。 まず私の見解を明確にしておくと、原則3割引き上げには賛成である。 医療費増大が止まらない中で、不要な医療の削減は喫緊の課題であるのは言うまでもない。削減方法にはいくつか考えられる。 イギリスのようにかかりつけ医制度によるアクセス制限や保険医療でカバーする範囲の制限なども有効だが、国民皆保険の中で、診療報酬が全国で一元化され、全額公費ではなく一部自己負担を導入するという市場原理も含んだ制度で継続してきた歴史などを合わせて考えると、窓口負担の増減による需要の調整は簡便かつ合理的な方法と思われる。医療の利用制限と比較すると、患者が自分の意思で選べる自由の範囲が大きいことは好ましいと考える。 そもそも高齢者の自己負担が現役世代よりも減免されていたことは年齢差別と言わざるを