漁港でウニの加工場を視察する小泉元首相=10日朝、北海道礼文町、今野忍撮影 「もう私、神通力なんてないんですよ」。小泉元首相が10日、武部勤元自民党幹事長の地元・北海道稚内市で講演し、権力闘争からの「完全撤退」を宣言した。 「総理は現職だから絶大な権力がある。引退表明したら力はない。今あるのは鈍感力くらい」と笑いを誘い、一方で「権力があれば何でもできるわけではない。信頼や共感がなければ権力は活用できない」と、麻生首相をチクリと批判した。 「もう一度サプライズを。引退をやめてくれ」と頼まれたことを紹介し、「親子で国会議員になったら、今だって親バカと言われているのに、ただのバカになってしまう」と否定。「こんな逆風の選挙はない。何やったって逆風は収まらない」と、早くも自民党の敗北を予言してみせた。