そのことが気になりだしたのはいつの頃だっただろうか。 大便を排出し、時に爽快な気分を、時に少々の残余感を感じながら尻をトイレットペーパーで拭くときのことだ。ペーパー(もちろんダブルだ)越しになにやらじゃりじゃりとした感触が伝わってくるということにはじめて気づいたのは、いつの頃だったのだろう。 むろん犯人は分かっていた。ケツ毛だ。陰毛も脇毛もギャランDoももっさもさに生えている僕だから、とうぜんケツ毛が生えていることになんの不思議もないのだけれど、それでもやはりこれは、ちょっとした衝撃といって差し支えないだろう。ケツ毛なんて別に生えなくてもいいじゃん、なんて話ではない。それだったら他の毛だってそうだ。僕が許せないのは、どうでもいいどころか、尻の間についた大便を拭く大きな障害にさえなるということだった。 当時僕はウォシュレットを恐れていた。あんなものがアナルに直撃なんてすることになれば忽ち僕の