しばらく前から歯の裏側が煙草のヤニで真っ黒になっていたので歯医者へ行って掃除をしてもらいたかったのだけれどもなかなか時間が取れずにいて、そのあいだにどんどん黒さは増していき僕の歯の裏側にはびっしりと松崎しげるやみのもんたが棲みつくようになっていた。 まあ言うほど忙しくもないのだけれども、ようやく時間の都合がついたのでしげるやもんたを除去してもらいに行ってきた。これまでに通ったことのある歯医者ではなく助手がみんな夜の蝶のようだと噂の歯医者へ。期待に胸が膨んで一時的に鳩胸となってポッポルポッポルさえずりながら行ってきた。ビルの4階、彩やかな濃いブルーに塗られたスチール製の自動ドアの向こう側は煌びやかな照明が輝く大人の社交場であった、わけでもなく別段代わり映えのしない歯医者の風景であった。受付の女性も特に髪の造型が螺旋状になっているわけでもなくマスカラが山盛りなわけでもなく「ご指名はございますか
タランティーノの新作を見てきました。 映画は全部で5つのパートに分かれていて、それぞれが章立てになっているおなじみのスタイルなのですが、ヒロインのユダヤ人・ショシャナを見舞う悲劇をセルジオ・レオーネ風の重厚なタッチで描く第1章「その昔…ナチ占領下のフランスで」では、“ユダヤ・ハンター”の異名を持つドイツ軍将校ランダ大佐が一見穏やかな物腰を保ちつつ、ユダヤ人一家を匿う農夫を言葉巧みに追い込んで隠れ場所を自白させます。続く第2章「名誉なき野郎ども」では、ユダヤ人特殊部隊“イングロリアス・バスターズ”の活躍(とそれに激怒するヒトラー)が描かれますが、ブラッド・ピット扮する隊長のアルド中尉は捕虜にしたドイツ兵に仲間の居場所を尋ね、答えを拒否すると部下のイーライ・ロス(登場シーンで噴き出しそうになった)に愛用のバットでがっつり撲殺させます。 ランダ大佐とアルド中尉、このふたりの軍人がそれぞれ敵に裏切
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