『地球の歩きかた 広州 アモイ 桂林』の広州市内の見所には3つ星のものが二つある。その一つは先日行った陳氏書院で、もう一つがこの西漢南越王博物館だ。陳氏書院が思った以上に良かったし、せっかくなので博物館にも足を向けてみることにした。結論からいうと、大満足。 西漢南越王博物館は1983年に工事現場で偶然発見された前漢時代南越国第二代文帝の墓とその出土品を展示している。 紀元前214年に嶺南地方(今の広東省と広西チワン族自治区一帯)は秦の始皇帝によって占領され、秦の支配下に入った。始皇帝が亡くなった後、群雄割拠の時代が始まり、秦の将軍であった趙陀が自ら王を名乗って南越国を建国した。その孫である南越国第二代の王が文帝である。彼の遺体は全身に玉衣を纏い、両側に置かれた鉄剣10本と、文帝行璽(金印)などの印鑑9本や精美な装飾品が埋葬されていた。また墓室の内外では、王の妾や奴隷ら殉死者の遺骸15体が発