平成から令和になった瞬間、世間ではお祭り騒ぎをしている方々もいたようだが、我が家は就寝中であった。奥様はガチ寝。僕はウソ寝。なぜ僕がウソ寝をしていたのか。平成最後の夜に、平成という時代を自分なりに総括しておきたかったのだ。奥様は「元号が変わるだけでしょう。あたしはあたしだから」などと化粧品のCMのようなことを言っていた。僕は、時代の変化に対して不感症な奥様に合わせて、布団に入っただけである。本当は渋谷で若者たちと「平成!女子大SAY!令和!東洋英和!」と大騒ぎしたかった。 僕にとって平成は生きにくい時代だった。僕だけではない。平成を通じて、多かれ少なかれ生きにくさを感じていた人は多いのではないか。平成の30年間で、世の中は便利になる一方であったはずなのに、なぜ、僕らは生きにくさを感じてしまうのだろうか。そして生きにくさのつぼみは、日々芽生えているように見える。令和は皆にとって、生きにくさの