湘南海岸など相模湾の沿岸一帯で、海面が乳白色や南国の海のようなエメラルドグリーンに見える非常に珍しい「白潮(しろしお)」が発生している。植物プランクトンの大量発生がもたらした現象で、専門家によると1995年にも同湾一部で確認された事例があるが、同湾でこれほど広範囲で観測されるのは初めてとみられる。 【写真】白潮が発生して海面が変色した茅ケ崎漁港付近=2020年5月20日午後、朝日新聞社ヘリから、神奈川県茅ケ崎市、迫和義撮影 横浜国立大臨海環境センター(神奈川県真鶴町)の下出信次教授(47)が15日、真鶴沖で調査したところ、炭酸カルシウムに覆われた円石藻(えんせきそう)が大量発生していた。海面は日光の加減で白色や淡い緑色に見えるが、海中は白濁し、透明度は4メートルほどだったという。 発生回数や研究事例が少ない白潮の発生メカニズムには謎が多く、下出教授は「日射量が多く、海が穏やかな状態が続いた