TPP国会では揚げ足取りに終始、オリンパス問題も上場廃止に至らずーー日本はいつからこんな幼稚な議論しかできない国になったのか、 先週のコラムで環太平洋連携協定(TPP)とオリンパス問題が「日本経済に打撃になる可能性が高い」と書いた。その後の展開をみると、そんな感じがますます強まっている。議論のお粗末さがにじみ出ているのだ。 TPPからみていこう。 野田佳彦首相はTPPへの参加を表明したが、言い方をめぐって永田町でぐずぐずともめた。野田が言ったのは「交渉参加に向けて関係国と協議に入る」である。すると、反対派の急先鋒だった山田正彦元農林水産相は「事前協議にとどめてくれた。ほっとした」と語った。 山田は交渉参加なら離党をほのめかしていたが、実は本気じゃなかったから「協議に入る」という言い方を前向きに評価して、離党しない口実にしたかったのだろう。あまりに見え透いている。 野田の言い方は正しかった