韓国の半導体産業が衰退のとば口に立った。「横流し疑惑」で開いたパンドラの箱から「地政学リスク」が飛び出したからだ。韓国観察者の鈴置高史氏が対話形式で読み解く。 ――世界の半導体産業は大変なことになりましたね。 鈴置: それが「大変なこと」にはなっていないのです。韓国が得意とするのがメモリー、つまり情報を記憶する半導体です。ところが、その2大アイテムであるDRAMもNAND型フラッシュメモリーも、国際的な価格は落ちついています。 「北朝鮮に核関連物質を横流しする怪しい国」と日本政府が韓国を認定しました(「日本に『怪しい国』認定された韓国 文在寅は『受けて立つ』というが、保守派は猛反発」参照)。 7月1日に韓国向けのIT素材の輸出管理を強化すると発表したのですが、それ以降も半導体市況に特段の動きは見られないのです。 ――「半導体価格が急騰。世界は混乱に陥って日本への非難が高まる」と思っていまし