クロマグロが過去最高値で競り落とされた東京・築地の中央卸売市場関係者からは5日、驚きとともに、今後のさまざまな影響を懸念する声が上がった。 「あれはもうマグロじゃない。家が建つじゃないか」。マグロ専門の小売店店主は、1億5540万円という数字に目を丸くした。「高額で落札して話題になるのが目的としか思えない」 市場関係者によると、競りに参加する仲買人らも「俺たちは毎日築地に通って商売している。彼らとは違う」と、今回も最後まで競り合ったすしチェーンに冷たい視線を向けたという。 億単位での落札をきっかけに、高値を期待して他のマグロの値段が今後釣り上がる可能性もある。さらには「現場の漁師が年末年始の漁で無理をするようになり、事故につながるのでは」と心配する関係者もいた。