【2000年1月27日 国立天文台・ニュース(322)】 互いに衝突している銀河の写真を見ることがあります。銀河の衝突はまれな、例外的現象と思われがちですが、実はそうではなく、銀河の進化には、衝突、合体が必然的な条件と考えられます。1996年にハッブル宇宙望遠鏡が撮影した深宇宙画像には、現在の宇宙の10パーセント程度の年齢の若い銀河がたくさん写っていますが、現在の銀河と違って、その大部分は小さく、不規則で、形成中との印象を受けるものでした。理論によりますと、初期には銀河系の10万分の1程度の質量をもつ暗黒物質のかたまりがたくさんあり、それらが合体、成長して、しだいに今日の銀河の形になるのだそうです。 銀河の合体は終わったのではなく、今後も続きます。これは、われわれの銀河系も例外ではありません。たとえば、1994年に発見された「いて座」のわい小銀河は、銀河系の1000分の1くらいの質量で銀河