1. 概要2023年の年明け早々にScienceから驚きの論文が発表されました! 脳表は脳表は硬膜・くも膜・軟膜の3層からなると言われてきましたが、なんと、その間に第4の膜(SLYM)が存在するというのです。 脳外科医として手術で何度も見てきましたが、そこで見えていなかったものが存在したとは驚きです。 未来の教科書に掲載されるかもしれませんし、臨床応用や創薬の可能性についても大きなインパクトを持つかもしれません。 Twitterでの反響も大きかったため、論文を読んでまとめてみました。 Møllgård et al. ” A mesothelium divides the subarachnoid space into functional compartments” Science. 2023 Jan 6;379(6627):84-88. doi: 10.1126/science.adc8
人間は重力の影響をほとんど受けない宇宙空間に長い間滞在すると、骨や筋肉が衰えて身体機能が低下してしまう。月や火星などの宇宙進出に向けて注目が集まるのが、地球と同程度(1G)の力を宇宙で生み出す「人工重力」だ。マウスの実験環境が整い、人間の宇宙居住への応用を探る動きも出てきた。2050年には新技術が、宇宙での人類の健康を支えているかもしれない。マウスが宇宙で35日間過ごすと足の「ヒラメ筋」は地上
(Image by Dima Zel/Shutterstock) 重力は一定の機械刺激であり、地球上の生物の進化にも影響を与える恒常的な要因です。また、骨格筋は、重力や運動負荷に対応して、その構造や代謝を変化させることができる組織ですが、急速な高齢化に伴い、骨格筋の量や機能を維持して健康的な生活を続けるための対策が求められています。一方、宇宙に滞在した宇宙飛行士には、骨格筋量や骨量が急速に減少し、高齢者と類似した症状が見られることが報告されており、筋萎縮や骨粗鬆症のモデルと考えられています。 本研究では、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発した、遠心機による重力環境を変えることができるマウス飼育システムを利用して、重力が骨格筋に及ぼす影響を詳しく調べました。国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」実験棟で、宇宙の微小重力環境と人工重力環境(1G)において、約1ヶ月間にわ
英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)Journal of Materials Chemistry B, 2018, 6, in press 論文タイトル“Core-shell protein cluster comprising haemoglobin and recombinant feline serum albumin as an artificial O2 carrier for cats” 日本は犬猫飼育頭数1845万頭のペット大国であり1)、その数は人間の子供(15歳未満)の人口1,561万人(総務省統計局データ)をはるかに上回ります。ところで "あなたはイヌ派ですかネコ派ですか?" これまで日本で主流だったイヌの数は、2017年、ネコに追い越されました(イヌ:892万頭、ネコ:953万頭)。世界の犬猫飼育頭数を比べてみても、実はネコのほうが圧
宇都宮大バイオサイエンス教育研究センターの陽川憲(ようかわけん)特任助教(37)と蔭西知子(かげにしともこ)研究員(38)を含む研究グループは10日までに、植物が麻酔にかかるメカニズムを発見した。食虫植物などの実験により、麻酔が効くと細胞の内外を隔てる「細胞膜」がかく乱され、外部の刺激に細胞が応答できなくなる、などと結論付けた。「なぜ生き物に麻酔が効くのか」。人類が麻酔を使い始めて150年以上たっても完全には解明されていないメカニズムを解く端緒になる可能性もあるという。 2人は前任のドイツ・ボン大学にいた2015年、研究室の教授と共に研究に着手。チェコとイタリアの研究者の計7人で論文をまとめ、英国の国際植物科学誌「Annals of Botany」オンライン版に掲載された。 実験では刺激に反応して動くハエトリグサやオジギソウに麻酔薬を投与し、効き始めると動きが鈍り次第に反応がなくなるのを確
イヌの人工血液、宇宙技術で=たんぱく質解析、合成-中大など 献血システムがある人間と異なり、イヌなどの動物医療では輸血用の血液確保が深刻な問題となっている。中央大と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究チームは、国際宇宙ステーションで培ったたんぱく質解析技術を使い、イヌ用の人工血液を開発した。長期保存が可能で、血液型に関係なく使えるといい、5年後の製品化を目指す。論文は10日付の英科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。 人工血液は酸素を運ぶ能力が重要。ウシのヘモグロビン(酸素を運ぶたんぱく質)を使った製剤もあるが、副作用も多かった。イヌの血液中のたんぱく質(アルブミン)でヘモグロビンを覆えば副作用は避けられるが、アルブミンはイヌの血液から採取するしかなく、安定供給が難しかった。 中央大の小松晃之教授らは遺伝子組み換え技術を用い、酵母にイヌのアルブミンを作らせることに成功。こ
2012/03/10 雑誌「科学」2011年8月号に掲載した記事です。科学編集者の了解を得て転載します。野口英世と同時代にパスツール研究所で活躍していた日本人科学者としても興味があります。2011年3月初めには新聞記事にもなるはずでしたが、大震災のために取りやめになりました。 はじめに 私の古くからの友人にFrederick Murphyというウイルス学者がいる。国際ウイルス学会長などを歴任したウイルス学領域の第一人者である(注)。彼は現在、ウイルス発見の歴史について、発見者の写真などを中心に800枚以上のスライドにまとめて同大学のホームページに掲載してきており、http://www.utmb.edu/ihii/virusimages/index.shtmlそれを元にウイルス発見の歴史に関する本を執筆している。 注:Murphyは1976年のエボラ出血熱発生の際に米国疾病管理予防センター(
By Penn State 体や臓器の一部分が欠損した状態で産まれてくる先天性欠損症には、生まれつき手足の一部が欠けてしまっている先天性四肢欠損症や、腰椎の1つが欠けている先天性腰椎欠損症など、多くの症例があります。人間の体の中でも最も重要な器官の1つである脳の先天性欠損症も多数あり、その多くを部分欠損が占めていますが、中国で小脳が完全に欠損している24歳の女性が見つかりました。 Woman of 24 found to have no cerebellum in her brain - health - 10 September 2014 - New Scientist http://www.newscientist.com/article/mg22329861.900-woman-of-24-found-to-have-no-cerebellum-in-her-brain.html 2
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