炭水化物 carbohydrates は、最近流行のダイエット、低炭水化物療法では悪者視されています。しかし、日本食はもともと、ご飯を主食とした高炭水化物食です。今回は、炭水化物が体の中でどんな働きをしているのか考えてみたいと思います。 <炭水化物はエネルギー源> 炭水化物は、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)からできており、化学構造的には、炭素の周りに水素と水酸基(OH)がついて長く結合したCm(H2O)nで、あたかも炭素と水の化合物のようになっているため、炭水化物の名前が生まれました。 事実、炭水化物は、植物が炭酸ガス(CO2)と水(H2O)を、太陽の光エネルギーを用いて合成したものです。 地球上のほとんどすべての動物や昆虫の基本エネルギー物質となっている単純な炭水化物であるブドウ糖 glucose で、どの程度のエネルギーが生ずるのかを見てみましょう。 植物は、6分子の炭酸ガス(24