「宇宙誕生の重力波を初観測」「宇宙誕生直後のインフレーション的宇宙膨張の決定的証拠を発見」「ノーベル賞級の成果」といったニュースが先日飛び交った。しかし、詳しい解説はほとんど紹介されておらず、何がどこまでわかったのか、いったい何のことやらと首をひねった人は多いのではないだろうか。そこで、宇宙物理学の最前線で活躍するマックス・プランク宇宙物理学研究所所長の小松英一郎氏に原著論文の内容を解説、検証してもらった(Web編集部)。 3月17日、衝撃的なニュースが世界中を駆け巡った。そのあまりの衝撃に、その後の5日間で私の体重は2キロ減り、発熱までして体調を崩してしまった。 宇宙が誕生直後、原子核ほどの大きさが瞬く間に太陽系ほどの大きさになってしまうような大膨張を起こしたとし、銀河、星、惑星、そして我々人類の起源すらも説明する「インフレーション宇宙論」が「BICEP2」という実験によって観測的に証明