メカデザイナーの仕事は、派手なロボットや巨大な戦艦などをデザインする仕事……と思われがちだ。だが、80年代にアニメ会社に就職し、玩具企画会社を経て、現在もアニメ業界で活躍する大河広行さんは「メカデザイナー」を名乗りながらも、アクション・シーンの構成や演出に近い仕事までこなす「何でも屋さん」ともういうべき多彩な職能で、アニメ業界を渡り歩いている。関わった作品は、それこそ数え切れない。 「絵を描くのが大好き」と語る大河さんは、食わず嫌いしない、貪欲な仕事歴を原動力にしている。その豊かでパワフルな生き方から、きっと元気をもらえるはず! ――動画マン出身とのことですが、もともとアニメーター志望だったのですか? 大河 いえ、漠然と「絵を描いてメシ食っていけないかな……」と思っていた程度です。高校生の頃、学校の外にマンガやアニメ好きのサークルがあって、地元の書店の社長さんがビルの最上階を開放してくれて