出席者:菊池 誠 志村弘之 大森 望 於:1993年11月7日 京都市左京区・いづもホール (京都大学SF研究会主催・京都SFフェスティバル'93より) 大森 今日は数学のえらい人と物理のえらい人をお迎えして、ラッカーのすべてが一時間でわかるハードSFな企画(笑)をお送りしたいと思います。志村弘之さんは京都大学数学科博士課程在籍中で、無限が専門。菊池誠さんは大阪大学理学部物理学科助教授のかたわら、P・K・ディック『ニックとグリマング』など翻訳者としても活躍中です。ええっと、ではまず志村さんから。ラッカーはどのへんがすごいんでしょう? 志村 それはやっぱり、数学をSFにした最初で最後の作家という……。 大森 ノーマン・ケイガンはだめ?(笑) 志村 まあ許そう(笑)。 大森 しょせん短篇ふたつですからね。その点、長篇を書いたラッカーはえらいと。 志村 ベストは『ホワイト・ライト』です。 大森