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ブックマーク / note.com/m_nakazaki (5)

  • ネタの探し方:PubMedで遊ぼう|中崎実

    医療系ネタで何か書こうとしてる方向けの記事です。 ネタを探したい方向けのコラム。 医療ネタを探す方法は色々ありますが、「無料で使えるインターネット上の資料」の探し方の一つとしてご紹介します。 ■ まず、PubMedってなに? アメリカ国立医学図書館のオンラインデータベース検索サイトです。 1946年以降の文献を収録するMEDLINEというデータベースに作られたものですが、現在はOLDMEDLINEという古い文献のデータベースも加わっており、かなりの文献を検索することができます。 ぐーぐるすからー先生よりも古くからある、「医学に関連するかもしれない分野を総舐めする」を目的に構築されてるといっても過言ではない、おそらく世界一充実した専門の検索サイトです。 なお、アメリカ政府のお金で動いてますので、アメリカで予算問題が起きた場合は何日か止まるとアナウンスされます。その場合、夕陽に向かって「アメリ

    ネタの探し方:PubMedで遊ぼう|中崎実
  • 持ち込まないリアル ~「異世界薬局」考証裏話(4)医師法の話~|中崎実

    まだまだ続く14話ネタ。 いやけっこう有るんですよこの回は。 今回も骨折治療の話にしようかなと思いましたが、それより先に「原作に準拠させたらまずいと判断して、かなり強く変更を求めた」点についてお話しようと思います。 原作を読んでいると判ると思いますが、薬谷というキャラクター、異世界にいってもなぜか日の医師法を気にします。 コミック第14話についても、原作では医師法を理由に治療をためらいます。 ネームの段階でも、医師法を理由に治療をためらうと言うストーリーになっていました。 が。 臨床現場にいる人間が全力で突っ込むポイントなんですよ、ここ。 理由は簡単。「薬谷、おまえもう医師法違反してるだろ!!!」だからです。 ではここで、医師法を見てみましょうか。 医師法第17条 医師でなければ、医業をなしてはならない。これだけだと良く判りませんね。 じゃあ「医業」って何なのか、厚労省の解釈を見てみまし

    持ち込まないリアル ~「異世界薬局」考証裏話(4)医師法の話~|中崎実
  • 創作では順番が逆。~「異世界薬局」考証裏話(3)治療可能な範囲の決定~|中崎実

    さて、だいぶん間が空きましたがまだ14話の話が続きます。 ネタが多いんですよね、この回は。 ……なお、来なら整形外科でカバーする範囲の話で、私が内科医であることはどっかに行ってる気がしますが、気にしないでください。 田舎で二次救急をやってますと、外傷初療や小外科(ちょっと縫う程度の傷の処置などですね)はできないと話になりませんから、内科医でもやることはあるということで。やんない奴おるけど。 それはさておき、題に入りましょうか。 症例の概要の決め方 前回、「薬谷の経験値では、目立つ傷以外のことをとっさに思い浮かべて調べることは困難」と結論付けました。 主人公の経歴を考えるなら、別に何の不思議も無いことなんですよ。目立つ出血があったり、明らかな骨折があったりすると、どうしてもそちらに意識が行ってしまいます。リアルワールドなら、見落としを減らすために「調べてそれがないと判るまで、いかなる損傷

    創作では順番が逆。~「異世界薬局」考証裏話(3)治療可能な範囲の決定~|中崎実
  • 見えるもの、見るべきもの ~「異世界薬局」考証裏話(2)外傷のおはなし~|中崎実

    WEB版、書籍版をお読みの方は気付かれたと思いますが、「異世界薬局」コミック版にはちょっとずつ修正が加わっています。 特に第14話はかなり変更があり、作画の高野さんがずいぶん苦労しておられました。 ご覧になった方は是非、原作と比較して見て下さい。 さて問題の第14話。 怪我人は馬から振り落とされたサロモンさん(年齢不詳男性)。 いきなりですが、症例を整理してみましょう。 症例は推定30代男性、戦闘中に落馬し左下腿に開放骨折をきたしたもの。 脛骨骨幹部近位および腓骨骨幹部近位骨折疑い。 軽度興奮状態。 既往歴:不明 予防接種歴:なし アレルギー:不明 最終経口摂取時刻:不明原作には「左足の脛の骨が皮膚を貫通しているのが見えた」とありますから、創(傷口のことを創と呼びます。以下、これで統一します)がかなり大きいタイプの開放骨折(注:コミックスとの整合性を重視し、ここではこの語を用います)ですね

    見えるもの、見るべきもの ~「異世界薬局」考証裏話(2)外傷のおはなし~|中崎実
  • その糸は使えるか?~「異世界薬局」設定裏話、あるいは縫合糸について~|中崎実|note

    「異世界薬局」の設定考証をなぜかお手伝いしている中崎です。 なんでお手伝いしてるのか人にも謎なんですが、気にしないことにしてください。私もよく判ってないので。 第一回ということでまずは自己紹介。 良くいる救急・総合診療系の医師です。来は総合診療および病棟管理を主業務とするはずなんですが、救命センターや僻地の二次救急、人工透析導入や維持透析、ちょっとした外傷などの治療などもやりますので、まあ何でも屋の医者ですね(外傷は初療のみで、格的な治療は他科に引き継いでおります)。 なお標榜診療科は内科ですが、諸般の都合により公衆衛生系も少しだけ携わっています。 当に何でも屋ですね。腔は開けないけど。 え、昔のサイトで書いてたのと職業違うだろうって?医学部に学士編入して転職しただけですよ。 さて、題に参りましょう。 今回はコミック第14話でちょっとだけ出てきた縫合糸についてのお話。 思いっきり

    その糸は使えるか?~「異世界薬局」設定裏話、あるいは縫合糸について~|中崎実|note
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