当研究所の西野 真木(にしの まさき)特任助教は、大阪大学、JAXAとの共同研究により、月周回衛星「かぐや」のプラズマ観測データを用い、地球の重力圏から流出した酸素が38 万 km離れた月に到達していることの直接観測に成功しました。 本研究チームは、月面上空100kmのプラズマデータを解析し、月と「かぐや」がプラズマシートを横切る場合にのみ、高エネルギーの酸素イオン(O+)が現れることを発見しました(図2のスペクトルの赤線部分 約104 count/cm2/secに相当)。これまで、地球の極域より酸素イオンが宇宙空間に漏れ出ていることは知られていましたが、本研究では「地球風」として、38万km離れた月面まで運ばれていることを、世界で初めて観測的に明らかにしました。特筆すべきは、検出したO+イオンが1-10 keVという高いエネルギーをもっていたことです。このようなエネルギーの酸素イオンは、