非常口のピクトグラムは、1973年に熊本県熊本市で発生した大洋デパート火災をきっかけに誕生したとされています。当時の非常口誘導灯はサイズが小さく表示も漢字だったため煙や炎の中で確認できず、死者104人・負傷者67人という日本における開店中のデパート火災としては史上最悪の惨事に至ってしまいました。 そのため、非常口のピクトグラムは火災時に炎の色である赤色に対して、最も視認性の高い色である緑色が使用されています。また、白色は停電などが発生した場合に照明の役割を果たします。そうした改善を重ね、1982年に私たちが見慣れた「非常口のピクトグラム」が制定されました。このピクトグラムは日本のデザインが国際規格となった初めての例だそうです。 現在はどんな施設でも見かけるこのピクトグラムですが、このデザインに決まるまでには世界の国々を巻き込む紆余曲折がありました。