「朴(瑾恵)は、1961年に軍事クーデターで権力を握り1979年まで韓国を支配した朴正煕の娘だ」 米議会調査局(CRS)が4月26日に発表した「米韓関係」と題する39ページの報告書の一節(2ページ)だ。行政府のそれとは異なって、韓国に対する米国の懸念を率直に書いている。筆者はアジアや核不拡散、通商の専門家5人(注1)。 (注1)「米韓関係」報告書はこちら。 この報告書ではっきりと、あるいはさりげなく表明された韓国に対する米国の懸念は、大きく分けて以下の3つだ。 韓国も核兵器を持ちたいのか 【1】北の核より南北を優先? 朴瑾恵大統領は一種の対北融和策である「朝鮮半島信頼醸成プロセス」を公約に掲げ当選した。しかし、就任直前の2013年2月に北朝鮮が核実験を実施。成功した可能性が高いというのに、朴瑾恵政権はそれを降ろしていない。米国の疑念はそこから生まれている。報告書は「米国の一番の関心事である