この映画は、今年の日本映画のベスト1になるのではないかと思うが、ストーリーの面でちょっと得心できない部分が残った。 地味な題材に見えるが、非常にアクチュアルな問題を意識して作られたことはたしかだ。 重すぎず、軽すぎず、ちょうどいい感じの作風で、すごく水準の高い心理劇に仕上がってると思う。 あらすじ オダギリジョーが演じる主人公の猛(たける)は、都会に住むフリーカメラマンだが、法事で田舎の実家に帰ってくる。香川照之が演じる35歳で独身の兄、稔は家業を継いでガソリンスタンドを経営しているが、そこで働いている智恵子という女性(真木よう子が演じている)に好意を抱いている。じつは、この智恵子と猛とは学生の頃、一緒に東京に出て行きかけたような仲だった。猛は、もともとすごくセクシーな感じの男性で、兄とは対照的に女にモテるタイプなのだが、兄と智恵子のやりとりを見て嫉妬し、智恵子の部屋にあがりこんでセックス