前回はHillの基準について解説してきました。 Hillの基準を因果推論のバイブルのように勘違いしている研究者もいますが、基本的にこの基準を使用しても、計測された研究結果に因果関係を見出すのは困難です。 臨床研究や疫学研究の9割以上は観察研究ですが、その質は本当に様々です。 とある有名ジャーナルで統計学的な有意差が出ていたとしても、その評価はのちに覆される可能性も十分にあります。 論文を読む際に気をつけることは、P値を見ることではなく、個々の研究のクオリティーを評価する必要があります。 つまり、研究がどのように施行され、バイアスがどれくらい想定されるのか、そのうちどの程度が対処されているか、といった点になります。 観察研究の基本はコホート研究になりますので、まずは基本を複数回に分けて説明していこうと思います。 本記事の内容 コホート研究とは? 代表的なコホート研究 なぜ介入ではなく観察研究