サイバーパンク作品にしばしば登場する「メガコーポ」。全ての産業を内包しそれ自体が国家機能を有する、つまり「国を私有する企業」という概念は大変魅力的であるが、一方でこういう疑念も沸き起こる-----「製品を販売する先がないんじゃないか?」 実際に、超巨大企業体がどのように成立し得るかを考察してみた。 世界の分類 メガコーポの経済を考察するにあたり、まずは世界背景を定義しておかねばならない。 考えられるパターンを列挙すると: 一つのメガコーポが支配する先進国家世界と、それを取り巻く発展途上国 複数のメガコーポと、それを取り巻く発展途上国 一つのメガコーポが全世界を支配 複数のメガコーポが世界を分割統治 1〜2と3〜4の違いは、メガコーポの支配下にない国が存在するかどうかである。これらの国は周辺国との競争を勝ち抜いて自らも先進国になりたいと考えており、そのために他国と(主に武力で)鎬を削る。つま