高知市出身の人気作家、有川浩(ひろ)さんの新作で、実在の高知県おもてなし課をモデルにした「県庁おもてなし課」が、発売から2か月で17万部と好調な売れ行きだ。 描かれる<お役所仕事>はコミカルだが、全体を貫くメッセージは「地方の観光を元気に」。観光振興に奮闘する県職員たちの姿はひたむきで、パラグライダー体験やツガニ汁など県のレジャーや味覚が魅力的に登場する。本を読んだ佐賀県知事は県内を旅行し、同課を訪れて記念撮影する観光客まで現れた。 県おもてなし課は2007年に発足。「県外客が気持ちよく観光できるよう、おもてなしをする」のが業務で、連休の渋滞対策や観光ガイド研修などを手がける。現在は兼務を除くと課長以下4人で、県庁では最小の部署。小説は、高知新聞など地方紙で連載された後、今年3月に単行本が発刊された。 創作のきっかけは実話から。有川さんは、おもてなし課から観光特使になるよう頼まれたが、依頼