わずか約10世帯の山あいの集落が惨劇の現場と化した。山口県周南(しゅうなん)市金峰(みたけ)で21日から22日にかけ、焼けた民家などから4世帯5遺体が見つかった連続殺人放火事件。山口県警周南署捜査本部は周辺の山中を山狩りするなどして、犯行をほのめかす貼り紙を自宅に残して消えた男(63)の行方を追っている。横溝正史の長編推理小説で映画にもなった「八つ墓村」を彷彿させる事件に現場は恐怖に包まれている。 ■消えた男 のどかな山村に、重々しい緊張感が漂う。5人の他殺体が確認されてから一夜明けた23日、現場では警察による検証が行われた。 県警が行方を追う男は、自家用車2台を置いて行方不明のまま。男の自宅は、遺体となって発見された山本ミヤ子さん(79)宅の隣にあり、玄関脇の窓には約2年前から「つけびして 煙り喜ぶ 田舎者」との貼り紙があった。 「着の身着のまま自宅を出てそのまま近くの山間部に逃