金沢市下石引町の国立病院機構金沢医療センター(能登裕院長)で2010年3月、腎臓がんを患った50歳代の男性患者の左腎臓摘出手術を行った際、左右の血管を誤って切断する医療事故があったことが23日、わかった。 男性は、両腎臓を摘出することになり、透析が必要になった。 病院側は同日、読売新聞の取材に対し、医療ミスがあったことを認め、これまで公表しなかったことについて「患者が公表を求めなかったため、積極的に公表する必要がないと判断した」と説明した。 病院側の説明によると、男性は10年3月29日、腎臓がんのため、左の腎臓を摘出する内視鏡手術を受けた。執刀を担当した40歳代の男性医師は、本来は左の腎臓につながる血管を切断しなければならなかったが、誤って右の血管を切断。別の医師が血管を縫合し、左の腎臓を摘出したが、右の腎臓の機能が回復しないため、約10日後に右の腎臓も摘出した。 男性は、一時は危険な状態