【カイロ大前仁】リビアの最高指導者カダフィ大佐は28日、米ABCテレビと会見し、「リビアの人民は私を敬愛し、私を守るために死ぬ」と発言、改めて辞任の考えがないことを強調するとともに、反政府デモの存在自体を否定した。 カダフィ大佐は辞任について問われ、「なぜ私がリビアを離れなければならないのか」と一笑に付した。デモ隊への一切の武力行使を否定し、事実関係を明らかにするため国連の調査団を受け入れる意向を示した。また、リビア第2の都市の東部ベンガジを制圧した反政府勢力を「テロリスト」と呼び、自身への抗議ではないとの認識を示した。 一方、ロイター通信によると、政府はベンガジに人道支援団を派遣し、食料や医薬品を提供する。交渉代表を送り反政府勢力との「停戦」を模索するとの情報もある。 カダフィ大佐は硬軟両面で事態の収拾を図っているが、反政府勢力は協議の可能性を否定している。 【関連記事】 EU