たいがいの人は、複数の一人称を使い分けている。例えば筆者の場合だと、「ぼく」と「おれ」という2つの一人称を、時と場合によって使い分けている。 ところが、「ぼく」と「おれ」のどっちを使ったらよいのか、困る場面というのがたまにある。例えば、会社の休憩時間に同期とバカ話をしていたところ、突然課長がやってきてその話の輪に加わったときなどがそれに該当する。課長が来るまでは「おれ」で通していた一人称を、課長の前でも使うのは気が引けるし、かといって「ぼく」という一人称を使うとバカ話の面白さも半減してしまいそうな気がする。 このように人生においては、「ぼく」か「おれ」のどちらを使うべきか迷ってしまう瞬間がある。このような、一人称グレーゾーンについて考えてみたい。 もっとも一般的な例が、友人と目上の人が混在しているような場である。 部活の打ち上げ、会社の飲み会などはその典型例である。「結婚式の二次会」はこれ