現東京都知事によると、今回の地震は「天罰」だそうです。この発言そのものへの評価は、都民のみなさんにお任せします。こんな時に言う話ではないかもしれませんが、物語と違って現実には、基本的に文脈というものがありません。どんなに努力しても報われることなく不幸がひたすら続いてそのまま惨めに終える人生もあれば、他人を何人殺そうとその罪を償うこともなく幸福の絶頂で終える人生もある。そして当然、物語のように、努力と結果の、罪と罰の帳尻がきっちり合う人生だってあるでしょう。が、それはどれも「たまたま」そうなっているのに過ぎない。現実において起こる不幸は、「試練」でも「罰」でもなく、何の意味もない、無いに越したことはない、ただの障害です。創られた段階ではどうだか知りませんが、現在いまここにあるこの現実は、何者にも管理などされていません。実際に不幸に襲われている当人が、その現実を受け入れるために「試練」や「罰」