不妊治療の女性に別の患者の受精卵を移植し、記者会見で謝罪する香川県立中央病院の松本祐蔵院長(左)と産婦人科の米沢優主任部長=19日夕、香川県庁 不妊治療中の高松市の20歳代の女性に、治療をしていた香川県立中央病院(高松市)が同じ治療をしていた別の女性の受精卵を移植したミスで、女性は香川県を相手取り、2000万円の損害賠償を求める訴えを高松地裁に起こした。 受精卵の取り違えは平成12年に石川県内の医院で発覚したが、妊娠まで明らかになったのは初めて。 県の発表によると、女性は昨年4月ごろから同病院の産婦人科で不妊治療を受けていた。同年9月中旬、受精卵を培養する際、担当の医師(61)が作業台上にあった別の女性の受精卵を入れた容器と誤って取り違えたとみられる。妊娠から約9週間後に中絶手術を行ったという。 同病院によると、女性は受精卵の発育が困難な体質で、妊娠後、受精卵の成育状況が非常に順調なことに