お笑い芸人、ヒコロヒーの連載エッセイ第47回。「今月のヒコロヒー」も要チェック! 前回の「人生とは。なんて。」も読む。 その人らしさは、 本物でなければならない。 通う喫茶店のママがいる。ご年齢は定かではないが推測するに75歳は超えているだろう。艶やかではないが黒々としたボブヘアに、いつも女性らしい、否、女性らしいというよりはやや少女らしいワンピースやシューズを身にまとい、爪の先までマニキュアをきっちりと施している。 ママはとてもキュートだ。常に笑顔で「いらっしゃあい」と高い声で迎えてくれ、私の吸い殻がいっぱいになった灰皿を見つけると「やあだあ、私ったら気がつかなくって!」と自分の頭を右手でぽかんとぶつ。他に客がいぬ時などに会話をすれば、カウンターに両肘を置き、顔を両手で包み込むようにして上目遣いで「うんうん」と聞いてくれ、たまにこっそり私の元へ駆け寄ってきては右手からクッキーを差し出し「

