私が小泉純一郎という政治家に強烈な印象を受けたのは、1997年の事だった。 当時、橋本内閣の厚生大臣だった小泉は国会議員永年在職(25年)表彰を辞退した。 永年在職表彰を受けると、国会議員には2つの特典が与えられた。 ひとつは、国会が100万円出して画家に肖像画を描かせ、国会の委員会室に飾ること。 もう一つは毎月30万円の特別交通費支給だった。 しかし小泉は 「自分が国会議員をやってきた25年間のうちに国の財政も悪化してきた。その責任を担っている自分が表彰を受け、特典を得るのはおかしい」という理由で、本来堂々と受け取れるはずだった「名誉ある特典」を自ら拒否したのだった。 月額30万円というと大した事無い様に感じる人もいるかもしれない。しかしこの年額360万円の特別支給は非課税で、しかも引退後も終生支給を受けられると言うまさに国会議員の「既得権益」そのものだった。 実際、この「既得権益」を自