李 啓充 医師/作家(在ボストン) (2765号よりつづく) ニューオーリンズの防災対策に欠けていたこと 昨年の本欄で,ハリケーン・カトリーナで孤立したニューオーリンズに踏みとどまって患者のケアに励んだがゆえに殺人罪に問われることになってしまった医師の話を紹介した。カトリーナは,ニューオーリンズ地域に限っても1000人を超える死者と2500億ドルに上る大被害をもたらしたが,ニューオーリンズが著しく嵐に弱い街であることは,カトリーナが襲う前から防災関係者の間では常識となっていた。 実際,2004年には仮想ハリケーン「パム」の襲来を想定,連邦政府・州・市関係者による,大規模な防災シミュレーションまで実施されていた。仮想ハリケーン「パム」の規模はカテゴリー3と,実際に襲来したカトリーナ(カテゴリー4)よりも小さい規模に設定されていたが,「パム」程度のハリケーンで堤防は決壊,市の大部分が洪水に覆わ
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