世界を駆けめぐった1通のレポート 2013年2月18日、米国のセキュリティ会社Mandiantが「APT1: Exposing One of China's Cyber Espionage Units」というタイトルのレポート(以下「APT1レポート」)を発表しました。 このレポートは、「上海を拠点とする中国人民解放軍所属の部隊が、過去数年間にわたって、主に米国を中心に、世界中の組織に対しサイバースパイ活動を行っていた」ことを指摘するもので、米国内にとどまらず、世界中のメディアなどで取り上げられ、大きな話題となりました。 そこで本記事では、10年以上にわたって繰り広げられてきた米中間のサイバー空間における争いや、APT1レポートによる影響とその意味、今回のレポート公開へとつながる背景などについてまとめてみたいと思います。 「APT1レポート」が示した内容~サイバースパイ活動の実態 APT1