ベイズの理論により物事の判断基準が変わる可能性がある。身近なものから、国家財政にいたるまで、主観的確率という考え方が意思決定の常識を覆すかもしれない。 書籍『ベイズな予測』では、冒頭で客観的確率のパラドックスを非常に平易な形で紹介している。(アマゾンのサイトからでも冒頭の文章だけであれば見ることができる。)読者は、ベイズの定理を使って主観的確率を導くことで、世界をもう一度見直してみる必要があることに気づくだろう。 しかし興味深いのは、頻度主義統計学から「ベイズの定理」を学んだ一部の方は、それでも客観的確率を導こうとする。現実にはあり得ないが、もう少し極端な例を出して説明したほうがいいのかもしれない。次のような状況を考えてほしい。 あなたとわたしとでカードゲームをする。カードは10枚、1枚ジョーカーが入っている。ジョーカーを当てれば勝ちだ。親はわたしでテーブルに10枚のカードを並べるが、ジョ
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