ぼくの奥さんはかわいい。美人である。なんで臆面もなくそんなことを言えるのかというと、客観的事実としか思えないからだ。たとえば、2人で街を歩いているとよく彼女がカットモデルに誘われるシーンを目撃するのだけど、つまりは隣の男が連れだと思われていないのだろう。喫茶店のトイレから出てきた彼女と入れ替わりに入ろうとしたおばさんが「あらぁ、芸能人のヒトかと思ったよ!」とか言うのを聞いたこともある。そして、やたらこの人はモノをもらう。美術展のチケットを買う列に並んでいると「余っているから」と知らない人にもらってしまったり、映画の券をもらったり、店でマケてもらったりオマケつけてもらったり、やたらとしている。目立つ、のだと思われる。一度行った店ではたいてい覚えられているようだ。またあるとき、社内のイベントで社員が家族連れで旅行へ出かけたことがあった。その時行かなかった部長が、あとで張り出されたぼくの奥さんの