日本の子供たちは、「理科」への関心を失っていると言われて久しい。今から11年前の「文部科学白書」では、青少年の「科学技術離れ」「理科離れ」が大きな問題として論じられている。その根拠は、経済協力開発機構(OECD)などによる国際比較調査だ。日本の子供たちの理科の成績は国際的に見ても上位なのに、「理科が好き」「将来は科学を使う仕事がしたい」と答える割合は最低レベルだという結果が、関係者を困惑させた。 「理科離れ」が叫ばれる中、文部科学省では平成14年度から、理科・数学に重点を置いた教育を重点的に行う「スーパーサイエンスハイスクール」認定制度を開始。高校と大学が連携して理系の人材育成を進めるなど、「科学技術大国」の名に傷がつかないよう、様々な対策を講じている。 一方、青少年の「理科離れ」はそれほど深刻でないとの見方もある。事実、国立青少年教育振興機構が今年8月に公表した「高校生の科学等に関す