少女はカメラ目線でニコニコ笑っている。露出度の高い水着に着替えると、不自然に股間を開く。カメラはその股間をズームアップする。改正児童買春・児童ポルノ禁止法が施行されてから1年2か月。目をそむけたくなる現実があった──。 「街を歩くと、児童ポルノに見えるものが公然と売られていて、本当に児童がこんなことをやらされているのかと心が痛む。しかし、年齢確認はできない。法律が絵に描いた餅になっている。私たちは子どもを守れているのか」 と伊藤和子弁護士は深刻な表情で話した。 児童ポルノと疑わしいDVDや動画が販売店やインターネット上で売られているとして、国際人権NGO『ヒューマンライツ・ナウ』(本部・東京、以下HRNと記す)は5日、都内で記者会見し、約1年にわたる実態調査の結果を報告した。取り締まりを強化し、出演者の年齢を確認する仕組みづくりが必要と訴えた。 冒頭の伊藤弁護士は同団体の事務局長。会